2016 09/20 BORDERセルフライナーノート YOUTHについて

BORDERのセルフライナーノートその2です。
っていうかこれで終わりなんだけど。というわけで2曲目のYOUTHについて。

「あの頃は良かった」なんて言うような大人になりたくなかった10代の頃。
全くイケてない男子だった僕はクラスのマドンナに一目惚れをしていました。
全くイケてはいないクセにお祭りなどは大好きだったので、文化祭などにはもちろん積極的だった。僕はクラスの出し物でその女の子と一緒に過ごす事が多くなった。何故か2人で過ごす事も少なくなかった。

クラス会の後、友達の家でみんなで遊んで、屋根に登って、そこから見える夜の空を見た。
その時に見た月を未だに僕は忘れられないでいる。
夜だけがどんどん近付いて、とうとう意気地の無い僕は何も言い出せないまま、文化祭も、その恋も終わってしまった。
そしてその後、女の子に超絶ヤンキーの彼氏が出来るというオチまで付いて。

見慣れていたはずの通学路も、少しだけ大人になった今、思い出せなくなって街並みが変わってしまったことにも気付かなくなっていきました。
それでも忘れられない思い出は僕らだけのもので、あの頃を思い出せる唯一の手がかりのようなものなんだと思います。
だから「あの頃は良かった」という言葉は決して枯れてしまった言葉ではなく、慈しむようにあの頃を今の自分に手繰り寄せているんだな、とあの頃よりも少し大人になった今はそう感じます。

この曲は普段ジャムセッションで曲を作るテキョロが、初めて僕が持ってきた曲から出来上がった曲。
こうしていい曲になったから「あの恋は実らなくて良かったのかもな」なんて思うけれど、
「実らなくて良かった恋もあるなんて、つくづく時間は思い出を美化していくものなんだなあ」と思いました。

くるり岸田繁さんが言っていた、バンドは青春だから終わらせないことが大切って言葉に僕はとても感銘を受けました。
まだまだ大人になれない僕はこんな歌を歌っています。